陳雲林台湾訪問に伴う過剰警備、市民権を侵害

    中国の海峡両岸交流協会(海協会)陳雲林会長が11月3日から台湾を訪問し、台湾の海峡交流基金会(海基会)江丙坤理事長と海運、空運、郵便、食品安全等を含む協議を進め、その後馬英九総統とも会見して、本格的3通時代の幕開けを告げる予定である。

然しながら、中国政府が長年来、台湾の国際的地位を抑圧し、台湾の国家主権を認めず、武力で台湾を威嚇し続けていることが台湾民衆の反感を買い、野党民進党の支持者を含む多数の台湾人は、会談が密室で行なわれ、国民党政権が協議の過程で台湾の主権を堅持できないことを恐れているため、連日抗議活動が行なわれ、「台湾と中国は別々の国」、「ワン・チャイナ、ワン・台湾」などのスローガンが叫ばれている。抗議デモには、「チベットの自由」を呼号する人たちも交じり、中国のチベット弾圧に抗議している。

国民党政権は今回の会談を順調に進めるため、7,000人以上の警官やガードマンを動員して、会談地点を中心にバリケードを張り巡らし、万全の安全対策を採っている。ところが、ここ数日間の警備態勢は過剰とも言える粗暴な仕草が多く見られ、人身の安全と市民の正当な権利を侵害する事件が相次いでいる。人権抑圧とも捉えられる事件の幾つかを下に列挙する。

  1. 市民の抗議デモを取り締まる際に、手に持った旗や風船などの個人の持ち物を強制的に没収。
  2. 台中市議員陳淑華等4人は11月2日に陳雲林等訪問団の宿泊先に予定されている同じ圓山飯店(グランドホテル)に宿泊、翌3日午前訪問団が到着する前、自分の部屋の前のベランダから抗議の垂幕を吊り下げたところ、1分間もしないうちにガードマンが駆けつけて議員らの同意なしに部屋に乱入し、垂幕を押収しただけでなく4人の議員の行動を取り締まった。
  3. インターネット・ブロッガー3人が中山北路に沿って台湾セメント・ビル(陳雲林が辜振甫夫人辜嚴倬雲女史を表敬訪問した場所)の方向に歩き寄った時、手に台湾の国旗と自由チベットの旗を持っていたため、警察に強制連行された。ブロッガーのうち一人は手指を脱臼したが、警察は調書を取り終えた後ようやく病院に送った。
  4. 記録映画カメラウーマンの陳育青が圓山飯店に宿泊している友人を訪問した際、手に持っていた小型カメラでバリケードで封鎖された現場の写真を撮影したところ、警察に強制的に派出所まで連行され、訊問を受けた。
  5. 台北市議員洪建益は午後国賓飯店(アンバサダーホテル、当夜連戦が陳雲林歓迎の宴を挙行した場所)に入り、夜一人でホテルから出ようとしたところ、ジャケットの裾の下から「匪賊に与せず」とプリントされたTシャツが覗いただけで、ホテル玄関で警備に当っていた多数の警官に数十メートル外に引っ張られていった。
  6. 11月4日の夜、陳雲林訪問団一行と国民党の大物たちが国賓飯店で夜宴に興じていた際、ホテルの向かい側にあるレコードショップで台湾の歌曲を掛けていたところ、北投警察局長の李漢卿はその歌曲がホテルの外に集まったデモの群衆を扇動するものとして、私服の刑事数人を引率してレコードショップに闖入して強制的にレコードを止めただけでなく、ショップの鉄門を強制的に引き下ろした。
  7. 台湾記者協会は11月3日声明を発表し、前日(11月2日)中央社カメラマン鄭傑文が圓山飯店で取材中に警護の警官に10数メートルも引きずられたこと、また11月3日も記者取材路線の設定が不当なため、記者と警官の間に衝突が発生したことに抗議した。台湾新聞記者協会はこれらの措置は新聞取材の自由を大いに損ねるものだと指摘した。また関係当局がメディアの取材を厳格に制限したため、多数の香港から来た記者が取材証明を取得できず、不当に権利を剥奪された。

民衆の抗議デモは現在なお多発しており、他方、警護側の粗暴な取締りや人権侵害の行為も跡を絶たない。これらの行為は人々の自由を剥奪し、我が国刑法および民法の諸規定に悖るだけでなく、憲法の規定に抵触し、人民の正当な権利を不当に奪うものである。我々はこのような事態を引続き注視し、台湾の警察当局に厳正な抗議を示すものである。

原作:http://www.ocot.tw/blog/archives/389

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1 comments:

  1. Anonymous Says:

    有日文的太棒了!可以傳給日本朋友看~謝謝你!